簡易スティミュレーター

category Case Studies, Student Staff Activity
2020/06/05

今回は学内のある研究室から依頼を受けて設計・製作を行った実験装置を紹介します。

機能はいたって単純な、絶縁されたDC60V/max20mAの電源をパルス状にして端子から出力するもので、これの電子回路および実験装置の一部の設計・製作をご依頼いただきました。 本件はものづくり教育研究センターとしては初めて電気回路設計が絡む依頼で、これを機にセンターの利用機会が増えればいいと考えております 。

AC/DCを既製品のACアダプタに任せることにしたため、回路としてはいたって単純なものになりました。次に、電子回路全体のブロック図を記載します。

作成した回路のブロック図

ACアダプタには24V出力のものを用いたため、DC60Vを作るために昇圧DCDCをおく必要がありました。ここにFly Backトポロジ採用し、制御部と出力部の電源を絶縁しています。個人的な話ですが、絶縁電源をモジュールなしで作成するのは初めての経験だったので、なかなか苦戦しました。電源制御ICのデータシートどおりに作るだけといえばそうなのですが、リップルが大きくなってしまったり、立ち上がりが遅かったりと、定数をいろいろ探りながらの設計になりました。

出力制御に関しては、後の出力条件の変更が容易にできるよう、マイクロコントローラー(MCU)を使用し、ソフトウェアで記述しました。

回路図を起こした後、PCB設計を行い外部に基板を発注、手元に届いた基板に部品のハンダ付を行いました。

最後に、計測機器を用いて期待通りの出力が得られていることを確認して、プラスチックケースに収納して納品させていただきました。

プラスチックケースに収めたところ

ものづくり教育研究センターでは電気回路設計を含めた機器製作も承っております。ご関心をもたれましたら、monotech@kit.jpまでお問い合わせください。